運動部デスク日誌

兄から弟への愛のむち

2021/6/5

 兄から弟への強烈な愛のむち―。3日に日本サッカー史上初めて実現した「兄弟対決」の素直な感想である。多くのファンが注目したフル代表と24歳以下(U―24)代表の一戦は3―0で「兄」が完勝した。東京五輪を1カ月半後に控えた「弟」に、勝負の厳しさを身をもって示したといえよう。

 それにしても、このタブーの対戦がよく実現したものである。負ければフル代表は「格下に負けた」と批判されるし、U―24も東京五輪に向けて不安の声が挙がる。そもそも、お互いにガチンコでやりづらいだろうに。森保監督が両代表の指揮を兼務しているからこそ実現できたのだろう。

 肝心の試合内容はなかなか見応えがあった。お互い遠慮することなく球際で激しく戦っていたし、何よりフル代表の当たりの強さ、パススピード、判断の速さはどれを取っても本気で試合に臨んでいることをうかがわせた。どんな相手でも、ひたむきに戦う森保監督の人間性が表れている。

 さて、完敗したU―24である。「五輪は大丈夫か」との声が実際に聞こえた。ただ3人のオーバーエージを先発で使わなかったことから、選手選考の意味合いが強かったと推測する。ならば、劣勢の展開で反発力とたくましさを見せた選手と、そうでない選手の見極めができたのではないか。愛のむちが効いたかどうかは、7月に明らかになる。(日野淳太朗)

#東京五輪・パラ

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧