運動部デスク日誌

9位チームの選手で何が悪い

2021/6/11

 あまりに理不尽な批判が今もふに落ちない。7日にあったサッカーワールドカップ予選の日本―タジキスタンの試合後、ネットに掲載された評論記事。辛口で有名な大御所が、サンフレッチェ広島の2選手が先発に名を連ねたことにこう物申した。「9位のチームの選手より、もっと試す選手がいるんじゃないか」

 選手起用に関して、さまざまな意見があるのは当たり前のこと。また、この日の佐々木に関してはとびきりいい出来だったわけではない。選手としてのパフォーマンスや、監督の起用法が批判の対象になるのは当然だろう。しかし、それと順位が何の関係があるのか。15、16位の清水とG大阪の選手だっていた。なぜそこは突っ込まないのか。

 森保監督が古巣の選手をひいきしたと言いたいのだろう。ただサンフレ監督時代を知る一人として言わせてもらえば、確かに情に厚い人間ではあるが、それを勝負に持ち込むほど甘い指揮官ではない。そもそも、能力がない選手を私情で起用してもメリットはない。

 代表に呼ぶ基準は順位ではなく、あくまで選手個人の特長。もっと言えば、監督が使いやすいかどうかも一つだろう。それで負ければ立場を追われるのが、プロの世界。それに対して報じる側は、何が本質かをしっかり見極めること。批判精神を忘れてはいけないが、何が何でも悪く言えばいいというものではない。(日野淳太朗)

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