運動部デスク日誌

ピーキングが分ける明暗

2021/6/25

 「ピーキング」という言葉を耳にしたことがあるだろうか。スポーツの現場では「試合で最高のパフォーマンスを発揮するために、練習などでコンディションを調整していく」という意味で使われる。24日に開幕した東京五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権。この言葉の持つ重要性をいきなり痛感させられた。

 女子100メートル障害の日本記録保持者、青木益未(七十七銀行)の欠場は驚きのニュースだった。今月6日の布勢スプリントで日本タイの12秒87をマーク。今大会は、同じく日本記録保持者の寺田明日香(ジャパンクリエイト)との優勝争いと五輪参加標準(12秒84)の突破に注目が集まっていた。

 発表では左太もも裏のけがが理由とある。元々悪かったのか、あのレースでダメージを負ったのか、状況は分からない。ただ、五輪代表選考会という今年重要なターゲットを前に、スタートラインにさえ立てない状況は、ピーキングを誤ったと言わざるを得まい。世界ランキングで代表入りの可能性を残すが、本人の悔しさは大きかろう。
 
 昨年絶好調だったケンブリッジ飛鳥(ナイキ)が準決勝で敗退し、昨年は走ることもままならなかった山縣亮太(セイコー)が全体1位で決勝進出。男子100メートルで見られた光景も、五輪イヤーに合わせたという意味では、ピーキングの生み出した明暗と言えるかもしれない。25日の決勝。このレースにきっちりと合わせられたアスリートが、先頭でゴールを駆け抜ける。(小西晶)

#東京五輪・パラ


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