運動部デスク日誌

カープ 自力V消滅に思うこと

2021/7/2

 「覚悟はできていた」とファンに言われそうだが、1日に広島東洋カープの自力優勝の可能性が消滅した。71試合目。シーズンの半分を消化する前に消えたことがあっただろうか、と過去の記録をめくる。見つけた。2013年6月28日。甲子園球場で阪神に逆転負けし、消えた。今季よりも早い、67試合目だった。

 13年はカープ担当記者として働いた最後のシーズンだった。野村謙二郎監督の4年目で、序盤から苦しい戦いが続いた。巨人との開幕カードを2敗1分けと負け越すと、1度も勝率5割に届かないまま、借金は膨らむ一方。自力V消滅の時点で借金は10。首位巨人との差は12・5ゲームまで広がっていた。

 だが、私にとっての13年シーズンは、悲しい記憶ではない。7月24日に借金が最多の14までいったが、ここから予想もしていなかった反転攻勢が始まった。起爆剤となったのは、エルドレッドの故障で急きょ獲得したキラ。彼の豪快な一発で息を吹き返したコイは、順調に借金を返済し、勝負の9月を14勝7敗で駆け抜ける。初のクライマックス・シリーズ進出を決めた。あの甲子園球場が真っ赤に染まった光景に感動した人は多かったことだろう。

 13年に比べれば、借金数も上位との差も大きい。ただ、シーズン残り半分で、手にできるもの、残せるものはきっとある。深みへと沈んでいく今の流れにあらがう力を、ファンは期待している。(小西晶)


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