運動部デスク日誌

中学時代から垣間見えた勝負師の顔

2021/7/8

 東京支社時代の2007年、2人の地元中学生の取材で走り回っていた。

 1人は卓球の石川佳純。山口市の親元を離れ、大阪に卓球留学。当時は四天王寺羽曳丘中2年だった。全日本選手権の女子シングルスで史上最年少で4強入り。14歳3カ月で世界選手権の日本代表入りを果たした。福原愛とともに、卓球人気の原動力になった。

 もう一人は将棋の里見香奈。当時は島根・出雲三中の3年生でプロ最年少棋士だった。公式戦「レディースオープン・トーナメント」で決勝まで勝ち進んだ。矢内理絵子女流名人に通算1勝2敗で初優勝は逃したが、制服で対局に臨むスタイルと、「出雲のイナズマ」と異名を取った終盤の鋭い攻めで、一躍「時の人」となった。

 石川は日本のエースとなり、ロンドン、リオデジャネイロ両五輪で団体メダル獲得に大きく貢献。3大会連続の五輪となる東京では選手団の副主将に任命され、文字通り「日本の顔」に。里見は数多くのタイトルを獲得し、史上初の女流6冠を達成。獲得女流タイトル数が歴代単独1位の通算44期となった。

 現在、石川は28歳で里見が29歳。それぞれの世界でいまもトップの実力を誇る。しかも、長く多くの注目を浴び続けながらもトップに君臨する精神力はすごい。初々しく、フレッシュな中にも、時折のぞいた勝負師の顔。17年前をしみじみと思い出した。(下手義樹)

#東京五輪・パラ


  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧