運動部デスク日誌

「丹生(ニュウ)ヒーロー」

2021/7/10

 広島東洋カープが発売する記念Tシャツで、思わずうなったキャッチコピーがあった。「丹生(ニュウ)ヒーロー」。6月にプロ初勝利を挙げた、2年目左腕玉村昇悟の記念Tシャツだ。

 玉村は日本海と里山に囲まれた福井県越前町の出身。数多くの強豪高校から誘われたが、進学先に選んだのは自宅から通える公立の「丹生(にゅう)高」だった。当時は無名の高校を県大会準優勝に導き、「越前のドクターK」との異名をとった。

 のどかな町で育った少年は、プロ野球選手となっても変わらないようだ。担当記者によると、まだ口調にもなまりが残るという。「都会の絵の具に染まらないで…」。思わず、昭和の大ヒット曲「木綿のハンカチーフ」の歌詞が浮かんできた。都会に染まっていない一面も魅力だ。

 そんな純朴な20歳も、立派に先発ローテーションを務めている。6月19日にプロ初勝利を挙げ、2日の阪神戦では7回1失点で2勝目。9日のヤクルト戦は勝ち星は付かなかったが、7回2失点と先発の役目を十分に果たした。

 「地元で取れて全国でも有名な越前ガニも一緒の赤なので、その赤に負けない投手になりたい」。2019年12月の新入団会見で、こう誓っていた。越前町生まれのニューヒーローが、全国区となる日も遠くない、と感じる。(下手義樹)


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