運動部デスク日誌

純粋な心が大人を動かした

2021/7/22

 夏の甲子園を懸けた高校野球地方大会のまだ2回戦。これほどまでに全国の人々の注目を集めるとは。鳥取大会で学校関係者に新型コロナウイルスの感染者が出たため、一度は辞退したが一転して出場が決まった米子松蔭の再試合が21日にあった。

 野球部員は全員陰性だったが、17日の試合直前に辞退が決まった。「このまま終わってしまうのはあまりにもつらい」。西村主将がツイッターを通して訴えたことで、一気に世論が高まった。県高野連に不戦敗を取り消して出場が容認された。球児の素直な心情が、大人を動かした。

 もう一つ、感動したのが、対戦相手の境の対応だ。米子松蔭は春季県大会の覇者。不戦勝とはいえ、優勝候補を破ったことになっていたが、心中は複雑だったよう。「自分たちが同じ立場だったら…」「米子松蔭と試合がしたい」。「米子松蔭に勝って甲子園に」。ナインの本音だった。境の井上主将は西村主将のツイートを拡散するなど、再試合を望んだ。再戦が決まると快く受け入れた。境ナインの気持ちに、心が洗われた。

 注目の一戦は好ゲームとなり、米子松蔭が逆転サヨナラ勝ちを収めた。昨年からのコロナ禍で、高校生アスリートは我慢や制約を強いられてきた。そんな中でも純粋な心は失っていなかった。鳥取での出来事から大きな感動をもらい、高校スポーツの素晴らしさを再認識した。(下手義樹) 


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