運動部デスク日誌

五輪野球、盛り上がるか

2021/7/31

 「東京五輪が開幕して、本当に寝不足」という人によく出会う。それはそうだろう。想像をはるかに超えた怒濤のメダルラッシュである。大会第8日で日本の金メダルは過去最多の17個に達した。しかも、今夜のフェンシング男子エペ団体など遅い時間帯の金メダルが続いている。選手だけではない。五輪デスクも体力勝負である。

 そんな熱狂が連日続く中、こんな声もよく聞く。 「五輪の野球って、何かぴんとこないですよね」。28日に開幕し、日本はドミニカ共和国にサヨナラ勝ち。金メダルに向け、最高のスタートを切ったはずなのだが、なぜか気持ちが入らない。その後のライバルの結果もよく知らないし、日本の試合日程も把握していない。プロ野球ファンでも、そんな人は多いのではないか。私もその一人である。

 ぴんとこない理由は、他の競技との違いを考えれば分かる。柔道、体操、競泳…なぜこれほど熱狂しているのか。それは、ほんの一瞬で天国と地獄が入れ替わってしまう危うさ、それに伴う緊張感を、リアルタイムで選手と共有しているからだろう。目の前で繰り広げられているのは、人生を懸けた大勝負。負けて失うものの大きさが分かるからこそ、彼らの挑戦に心を揺さぶられるのではないか。

 一方、野球には、その緊張感がない。予選リーグはグループリーグが全敗でも決勝トーナメントに進めるし、その後も敗者復活戦が用意されている。計算上、4勝3敗でも金メダルが取れる。そんなシステムも影響しているのかもしれない。とはいえ、稲葉ジャパンには悲願の金メダルが懸かる。31日のメキシコ戦から、心して観戦しようと思っている。(小西晶)

#東京五輪・パラ


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