運動部デスク日誌

山縣ら日本に立ちはだかる蘇炳添 男子400メートルリレー【運動部デスク日誌】

2021/8/2

 「亮太ロス」で、限りなく興味のなくなった陸上男子100メートル。冷めた心を熱くしてくれる男が残っていた。100メートルのアジア記録保持者である蘇炳添(中国)である。準決勝で自らのアジア記録を0秒08更新する9秒83の快走。決勝では、9秒96で6位に終わったものの、ファイナリストとして十分な存在感を残した。

 取材で蘇を初めて見たのは、2011年のアジア選手権(神戸)。10秒21で100メートルを制した。そのときは何も感じなかったが、その後の走りはまぶたに焼き付いている。14年の仁川アジア大会では山縣亮太(セイコー、広島・修道高出)に先着し2位。翌15年の世界選手権(北京)では準決勝で9秒99をマークし、世界選手権ではアジア勢初のファイナリストとなった。

 中国のスプリンターをここまで注視してきたのは、山縣がライバル心を抱いていた選手だったからにほかならない。だが、2人の距離は山縣の度重なる故障もあって、広がるばかり。山縣が9秒95の日本記録を出し、東京五輪の対決を楽しみにしていたが、山縣は予選敗退。またしても、「明暗」が分かれた。

 100メートルの対決は実現しなかったが、5日に始まる400メートルリレーで、2人は相まみえることになる。前回のリオ五輪は日本がアジア新記録で銀メダル。中国は4位でメダルを逃した。雪辱に燃えている蘇ら中国勢に、山縣らはどう立ち向かうか。リオをはるかに超えるほど熱いメダル争いが待っている。(小西晶)


  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧