運動部デスク日誌

高校野球 降雨コールドゲームという罪

2021/8/19

 「雨の甲子園」といえば、忘れられない試合がある。2010年4月1日。第82回選抜高校野球、広陵(広島)―日大三(東京)の準決勝だ。広陵は大会屈指の右腕有原航平(現レンジャーズ)が強打の日大三打線に挑んだ。7回4失点と踏ん張ってきたが、八回、9安打を浴び、味方の3失策も絡んで10点を失った。

 急変の要因は豪雨。池となったグラウンドを含め、とても野球をできる状況ではなかった。それでも審判団は続行。好ゲームは完全に壊れた。あの場面を思い出したのは、第103回全国高校野球選手権1回戦、東海大菅生(西東京)―大阪桐蔭の一戦を見たからにほかならない。雨の勢い、グラウンド状態の悪さは、私が現地で見た11年前の比ではなかっただろう。

 ここで審判団に問いたいのは、「試合続行可能」と判断する根拠がどこにあったかである。土砂降りの雨、池のようなグラウンド状態。それだけじゃない。金属バットが手から滑って飛んでいく。投手はマウンドでぬかるみに足を取られて転倒してしまう。けが人なく試合が続行できたのは偶然にすぎない。このような異様な状況での続行判断に、「この試合は何が何でも成立させる」という大人の理由を感じたのは、私だけだろうか。

 大会史上最多の6度目の順延。今後も雨の予報が続き、日程はより厳しくなるだろう。しかし、選手に苦しさを強いる、あのような試合はもう二度と繰り返すべきではないだろう。雨が続く甲子園。「降雨ノーゲーム」をコールする勇気がないのなら、「プレーボール」をかけるべきではない。(小西晶)


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