運動部デスク日誌

高校野球 島根県勢ベスト8の記憶

2021/8/25
8強を決め、ベンチ入りできた14人で校歌を歌う立正大淞南ナイン

8強を決め、ベンチ入りできた14人で校歌を歌う立正大淞南ナイン

 「中国勢最後の砦」である石見智翠館(島根)が、全国高校野球選手権大会3回戦で日大山形に逆転勝ち。準々決勝進出を決めた。高校野球デスクによると、同校のベスト8入りは、校名が江の川だった2003年以来、18年ぶり。島根県勢では、2009年の立正大淞南以来、12年ぶりという。

 12年前の立正大淞南と聞いて、記憶がよみがえってきた。当時、大阪支社に勤務していた私は、高校野球担当とともに夏の甲子園を取材していた。状況は今大会と似ており、如水館(広島)華陵(山口)倉敷商(岡山)鳥取城北はいずれも初戦敗退。島根代表の立正大淞南が「中国勢最後の砦」となっていた。

 記憶に残っている理由は、それだけではない。2009年は新型インフルエンザが流行。夢の舞台に臨んだ立正大淞南ナインも初戦突破後、次々と感染が判明した。3回戦の東農大二(群馬)とは14人で戦い、逆転勝ち。主戦の崎田聖羅投手がお立ち台の上で「早く帰ってこい」と病床の仲間に呼び掛けたのが、印象に残っている。

 準々決勝はさらに1人少ない13人で、準優勝した日本文理(新潟)に挑み、3―11で大敗。劣勢でも、チームの結束は切れることなく、13人の淞南野球はさわやかな風を残した。26日、石見智翠館は強豪・智弁和歌山相手に、どんな野球を見せてくれるだろう。甲子園で心動かされるのは、勝った負けたという事実だけではない。(小西晶)


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