運動部デスク日誌

不思議な魅力の長距離砲

2021/9/10

 広島東洋カープの鈴木誠也が、9日の中日戦(マツダ)球団記録に並ぶ6試合連続本塁打を記録した。「誠也フィーバー」で沸く最近、カープ球団史を彩った懐かしいレジェンド選手の名が各メディアに登場するようになった。新井貴浩とともに6試合連続本塁打の球団記録を持つ、ランスだ。

 山本浩二が引退した翌年の1987年に来日。その打撃はまさに「ピンポン球」か「扇風機」。1年目にして39本で本塁打王を獲得したが、安打は88本で打率2割1分8厘。三振は114を記録した。打ち出したら手が付けられないが、途端に急降下―。本塁打か三振という、不思議な魅力でファンに愛された長距離砲だった。

 自分も学生時代、ランスの一発を楽しみに広島市民球場に足を運んだ一人だった。とくに巨人戦にはめっぽう強かったと記憶している。そのあたりが、ファンに強烈な印象として残っているのだろう。

 翌88年、確実性を求めるチームの方針もあって不振に。同年限りで退団した。「ホームラン打者」という自らの個性を貫いたカープでの2シーズンだった。「フライボール革命」のように、長距離砲がよりクローズアップされるようになった時代。いまランスがいたら、どれほど本塁打を量産しただろうか。想像するとワクワクする。(下手義樹)


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