運動部デスク日誌

ドラゴンフライズ 地域で愛されるクラブとは

2021/9/22

 大谷翔平(エンゼルス)フィーバーに湧いた今年のMLBオールスターゲームで、印象に残る場面があった。場内にノーラン・アレナド(カージナルス)が紹介された場面。ロッキーズの本拠地・クアーズフィールドでスタンディングオベーションが沸き起こった。アレナドは昨季までロッキーズで8年間プレー。スタンドのファンにとって「家族」に再会したような思いだったのだろう。

 こんな風景に、「地方球団」の温かさを感じる。ここ広島もそうだが、「おらがチーム」への愛情は、「おらが選手」への誇りの集まりのようなものだ。若い芽の時から声援を送り、優勝という大きな夢を追うプロセスの中で、愛着は誇りへと醸成されていく。ともに過ごした時間の長さも、思いの深さと決して無関係ではないだろう。

 そこで思う。開幕間近のバスケットボールBリーグにである。「バスケットは好きだけど、ドラゴンフライズの選手が分からない」という声をよく聞く。歴史が浅いから、という理由だけではない。今季を戦うB1広島の11選手中、昨季在籍した選手は5人。生え抜きの朝山正悟を除けば、平均して在籍1・6シーズンである。顔を覚えてもらえたころに選手が入れ替わる。これが現実である。

 がらりと選手を入れ替えて強化につなげる。NBAでもよく見られるように、バスケットボールという競技の特性もあるのかもしれない。ただ、「地域」で認められ、愛されるための要素は強さだけではないはずだ。広島で育った、広島で強くなった。長い時間を共有し、「家族」と思えるような選手を一人でも多く…。そんな思いを強くした。(小西晶)


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