運動部デスク日誌

ヤクルト 両リーグ6度目の快挙に挑む

2021/9/27

 「最下位の翌年に優勝」と聞いて思い出すのは、1975年の広島。球団創設26年目での歓喜の初優勝である。ジョー・ルーツ監督からバトンを受け継いだ古葉竹識監督が、周囲の予想を覆し、見事に大輪の花を咲かせた。70年を超える両リーグの歴史で、過去に5度しかない「最大のジャンプアップ」に、今季、ヤクルトが挑んでいる。

 昨季は借金28。5位に12ゲーム差を付けられて、ぶっちぎりで2年連続の最下位だった。今季開幕前の野球評論家94人の予想でも、Aクラスは3位に挙げた4人だけ。全体の9割以上が5位か6位だった。それがどうだろう。残り22試合で、貯金17で首位に立っている。

 2位阪神とはゲーム差なし。それでも、ヤクルトに強い風を感じるのは、戦いぶりが「神ってきた」からにほかならない。最近12試合は8勝4分けと負けなし。その内容が驚きだ。14本塁打と打線が活発なのは理解できるが、その間の防御率が1・67とは。昨季(4・61)より、約3点も改善されている。あれほど「弱点だ弱点だ」と言われ続けた投手陣が、である。

 開幕直前の高津監督の意気込みは「このまま負け続けるのは悔しい。闘争心を出して戦いたい」だった。優勝しなくては、Aクラスは死守しないと…。そんな制限や重圧とは無縁の、いわゆる「無欲」でペナントレースを戦えていることが、快進撃の要因であるかもしれない。

 ただ、ここから先は一試合一試合の重みが変わってくる。それでも、無欲で腕を振り、バットを振れるか。注目の最終盤が始まる。(小西晶)


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