運動部デスク日誌

大横綱、土俵を去る

2021/9/30

 大相撲の第69代横綱の白鵬が現役引退の意向を固めた。右膝の状態が回復せず、土俵を去る決断をした。一つの時代の終焉(しゅうえん)を実感する。

 東京支社と大阪支社時代、本場所に取材に出向いていたが、取材対象力士は中国地方出身力士。それでも支度部屋で感じたものすごいオーラはいまも覚えている。取組前は目を閉じて腕を組み、精神統一。取組が近づき、付き人を連れて土俵に向かう際には、その迫力に何度も後ずさりした。

 通算1187勝、幕内優勝45回…。数々の大記録を打ち立てた。国技の歴史に名を刻んだ名横綱となった。その一方で、土俵上での立ち居振る舞いが批判され「横綱の品格」が問われることもしばしばあった。

 2007年に横綱昇進。一人横綱の時期も長くあった。その間、八百長問題などの不祥事、東日本大震災や新型コロナウイルス禍などもあった。相撲界の危機的状況を先頭に立って乗り越えてきたのが白鵬だ。相撲界の伝統を重んじるのは重要。それでも、実績と貢献度が、もっとたたえられてもいいのでは、と個人的に思う。(下手義樹)


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