運動部デスク日誌

早大三羽がらす 

2021/10/2

 元横綱白鵬の引退会見があった1日、日本中を沸かせた一人のスターが現役引退を発表した。日本ハムの斎藤佑樹だ。

 東京・早実高時代の2006年夏の甲子園、決勝で北海道・駒大苫小牧高の田中将大(現楽天)の投げ合いで一躍時の人に。「ハンカチ王子」と呼ばれ、早大に進学。東京六大学史上6人目の通算30勝、300奪三振を達成した。忘れられないのが10年10月のドラフト会議だ。

 斎藤に大石達也、福井優也の3投手は「早大三羽がらす」と呼ばれ、いずれも1位指名が濃厚だった。広島東洋カープが大石を1位指名予定だったため、昼から早大のグラウンドに。しかし、週末に早慶戦を控えているという理由で、当日の取材対応は行わないとの知らせが。

 薄暗くなった夕方、ドラフト会議が始まり、寮の前で待った。100人以上の報道陣がいただろうか。斎藤は4球団競合の末、日本ハムが交渉権を獲得。広島は大石を抽選で外し、福井を1位指名した。寮内から時折歓声が起こったが、中の様子はうかがえない。大学からはコメントが配布されたが、3人は最後まで報道陣の前に姿を現さなかった。晴れの日であるドラフトで、1位指名選手の表情が見られなかったという、異例の一日だった。

 斎藤は故障に悩まされ、プロ11年間で通算15勝。大石も引退し、三羽がらすで現役は楽天に移籍した福井だけになった。斎藤の引退に触れ、福井にはもう一花咲かせてほしい、との思いを強くした。(下手義樹)


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