運動部デスク日誌

ヤクルト監督・高津臣吾の原点

2021/10/4

 時の移ろいの早さを感じざるを得ない。広島は本拠地でヤクルトに3連敗を喫した。昨季は14勝7敗3分けとお客さんにしていた相手に、今季は5勝14敗3分け。特に、マツダスタジアムでは1勝9敗1分けと、全く歯が立たない。これほどの主客転倒はなぜ起こったのか。相手ベンチには高津臣吾監督がいる。

 日本歴代2位の286セーブを誇る大投手。投手コーチとして、2015年にヤクルトを優勝に導いた。監督に就任し、今季は最下位だったチームを立て直し、首位に立つ。指揮官としてもリーグを席巻する男の原点は、生まれ故郷の広島。今はなくなった旧広島市民球場にあるという。

 1986年夏、広島工高3年の高津は無名の控え投手だった。目標は春夏連続の甲子園出場。しかし、エースは大会前に虫垂炎で手術し、入院した。背番号10の右肩に、チームの命運は託された。「絶対にやらなきゃいけない。強い気持ちで臨んだ」。準々決勝、決勝以外の4試合に先発。独特の浮き上がる球を武器に防御率0・84と活躍し、優勝に導いた。甲子園での登板はなかったが、「僕が頑張ったから甲子園に行けた」。その自負が、その後の野球人生を大きく切り開いた。

 「小さい頃には、カープが勝てば外野フェンスを越えてグラウンドに入っていた。あの球場で投げられて、幸せだった」。あれから35年。指揮官となった今、原点の地広島でさらなる勢いを得て、「就任2年目V」という快挙に向けて突き進む。(小西晶)


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