運動部デスク日誌

ゴルファー前田智徳、全国へ挑戦

2021/10/8
昨年の中四国オープンに出場した前田さん

昨年の中四国オープンに出場した前田さん

 驚きのニュース、と言ったら、本人から怒られるだろうか。元プロ野球広島東洋カープの前田智徳さん(50)が、6、7日に赤磐市の山陽GCであったゴルフの中国ミッドアマチュア選手権で初優勝した。現役を引退した翌年から、競技ゴルフを始めて8年。通算5アンダー、2位に4打差をつける圧勝で、堂々と全国切符をつかんだ。

 現役時代から、前田さんのゴルフ好きは有名だった。過去の紙面をめくると、入団3年目の1992年、ゴルフ歴3年でチャリティーゴルフに出場した時の記事がある。グロス110で36人中15位に終わり、「オフしかできないので、なかなかうまくならんです。調子ですか。そんなものありゃせんですよ。そういうのはプロが使う言葉」とコメント。一緒に回ったプロは「ショットが豪快。アプローチがうまいのはセンスのいい証拠」と才能を認めていた。

 こんな思い出がある。3、4年目の沖縄キャンプだったように思う。沖縄市営球場の右中間のフェンス付近にティー打撃で使うネットが置いてあった。前田さんは、そのネットを標的にしてマシン打撃を始めた。

 記憶に残っているのは、打球がため息が出るほど、正確にネットに向かって飛んでいたから。たまに大きく外れると、一端マシンを止めて熟考。そしてまた打ち始める。動いている球ですら、これほど正確に打ち返す。卓越したバットコントロールが、持つ棒は違っても、今に生かされていることに疑いはない。同時に、競技に打ち込む「ストイックさ」も成長を支えたように思う。

 中国ゴルフ連盟の関係者によると、前田さんは首位発進した6日のホールアウト後、2時間近くも練習していたのだそうだ。6月の日本アマを欠場した前田さんにとって、11月17日から始まる日本ミッドアマチュア選手権は待望の全国舞台。球史に名を残した「天才打者」が、日本のトップアマに挑む。
(小西晶)


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