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理学療法でスポーツ支援

2021/10/22

 創立50周年を迎えた広島県理学療法士会(広島市東区)は理学療法の知見を生かし、パラスポーツをはじめとする、さまざまな競技の支援に力を入れています。この分野で理学療法士が果たす役割や支援活動の内容について、広島県理学療法士会の高橋真副会長と山本真士健康・スポーツ部長、パラスポーツの一つ「ボッチャ」の普及を目指す広島県ボッチャ協会の梶村政司会長が話し合いました。


競技通じて社会参加促す 広島県ボッチャ協会 会長 梶村政司さん
 かじむら・まさじ 1960年広島市生まれ。高知医療学院理学療法学科卒。89年広島県理学療法士会理事に就任し、2003年から09年まで会長を務める。07年より現在まで日本理学療法士協会理事。20年に広島県ボッチャ協会が設立され、会長に就任。


困難乗り越える力を培う 広島県理学療法士会 副会長 高橋真さん
 たかはし・まこと 1977年愛媛県今治市生まれ。広島大大学院国際協力研究科博士課程後期修了。2001年広島県理学療法士会入会。学術誌部長を経て19年より現職。同年より広島大大学院医系科学研究科教授。


障がい理解しアドバイス 広島県理学療法士会 健康・スポーツ部長 山本真士さん
 やまもと・しんじ 1984年広島市生まれ。高知医療学院理学療法学科卒。2007年広島県理学療法士会入会。19 年より現職。同年より中電病院勤務。

 ─それぞれ、どんな活動に取り組んでいますか。
 高橋 当会は理学療法士が研さんを重ねる場として1971年に発足しました。50周年を迎えた現在、会員数は3295人。理学療法のスキルを高めるための研究に携わるほか、研修会や講習会などを通じ、人材育成に取り組んでいます。社会活動も重視しており、地域の健康イベントでの運動指導などに当たっています。住民が運営する体操教室などに協力し、介護予防活動のサポートも行っています。
 梶村 ボッチャは1チーム1〜3人ずつが対戦し、それぞれがボールを6球ずつ投げて、的となる白いボールにどれだけ近づけられるかを競うスポーツです。当協会はボッチャの振興を通して、心身の健康増進を図ることを目的に昨年8月に設立。この競技は、脳性まひや脳卒中患者のリハビリにも採用されていることもあり、理学療法士が中心になって運営しています。

注目集めるボッチャ
 ─広島県理学療法士会とボッチャの関わりは。
 山本
 当会ではこれまで、広島県障害者スポーツ協会や広島大病院スポーツ医科学センターと連携し、ボッチャをはじめとするパラスポーツのアスリートを支援してきました。そこで培った知見を生かし、協会が開催するボッチャの体験会やイベントで、参加者のプレーをサポートしています。ボールを投げる際の車いすでの姿勢(シーティング)をアドバイスするなど、一人一人の障がいを理解した上で、競技力アップのお手伝いをしています。
 高橋 障がいのある人にとって、できないことをできるようにするには危険が伴う場合があり、ちゅうちょしてしまいがちです。しかし、リハビリの専門職である理学療法士が付いていると安心してトレーニングを受けられます。
 梶村 点を取るだけでなく、相手のコースを邪魔して点を取らせないようにするなど、戦略を練る面白さもあるため、子どもから高齢者まで楽しめるのがこの競技の魅力です。8、9月に東京で開催されたパラスポーツの国際大会では、広島県出身の選手がボッチャで活躍し、注目を集めました。最近では自治体や企業からボッチャのイベントを開きたいという相談も受けています。


 ─さまざまなパラスポーツの支援に取り組んでいます。
 山本
 広島市で毎年開催される車いすテニスの国際大会を1997年から23年間サポートし、主に選手のケアに当たりました。このほか、パラ水泳、パラ陸上、ブラインドサッカー、切断障がい者によるアンプティサッカーなどの支援にも携わっています。
 高橋 スポーツには体力を養うだけでなく、昨日の自分と競い、困難を乗り越えていく力を培う効果があります。病気やけがで、たとえ障がいや後遺症が残ったとしても、前向きに生活していくための方法の一つとして、パラスポーツがあると考えています。
 梶村 スポーツを楽しむ気持ちの高ぶりは日常生活に良い影響を与えてくれます。障がいのある人の社会参加を促す点で、理学療法士がパラスポーツに関わる意義は大きいのではないでしょうか。

「自分らしく生きる」
 ─今後は何に力を入れますか。
 山本
 一つは、スポーツに通じた理学療法士の育成です。そのためにアスリートの支援はもちろん、地域スポーツや生涯スポーツ、予防医学に基づいた健康体操など、幅広い分野で活動するための教育を重視しています。当会は2019年にスポーツ理学療法研究会を開設し、知識や技術の習得に励んでいます。動作解析など、より専門的な研究に取り組み、成果を会員が共有できる環境を整えたいと考えています。
 梶村 ボッチャは特別支援学校の体育の授業に取り入れられるなど、ニーズはさらに高まると考えています。この競技には正式なルールだけでなく、参加者の状況に応じた独自のローカルルールを設けてゲームを楽しめる良さもあります。障がいの有無にかかわらず、誰もが気軽に取り組み、夢中になれるスポーツとして、認知度をアップさせ、一層の普及拡大を目指します。コロナの状況にも配慮しながら、近い将来、協会主催の大会も開きたいですね。
 高橋 スポーツを通して地域の人々を元気にする取り組みを今後も続けていきます。入院中のリハビリや退院後の在宅支援など、理学療法士本来の活動をさらに充実させながら、高齢者だけでなく、メタボリック症候群や生活習慣病の予防など、中高年を対象にした活動も重視します。病気や障がいがあっても、一人一人がいつまでも自分らしく生きていける。そんな社会の実現を応援していきます。
 ─ありがとうございました。

公益社団法人広島県理学療法士会
〒732-005
広島県広島市東区光町2丁目6−41 セネスビル5階
TEL 082-568-5610
FAX 082-568-5614


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