運動部デスク日誌

決断

2020/3/12

 スポーツ界にとっては、嘆きの春となっている。プロ野球の開幕延期、Jリーグ、Bリーグのシーズン中断、高校生などアマチュアの全国大会の中止…。そして11日、「春の風物詩」である選抜高校野球大会の中止が決まった。

 日本高野連は4日、無観客での大会開催の準備を進めると発表した。「結論を先延ばしただけ」との批判もあったが、11日に公開された「新型コロナウイルス感染予防対策の概要」を読むと、開催への本気度は伝わってきた。球場内の徹底した消毒、ベンチ裏などへのオゾン脱臭機の設置、試合中の円陣の禁止、内野スタンドを使っての取材対応…。
 確かに、これだけ策を講じれば、出場選手の感染リスクは低減できるだろう。だが、選手だけ守られればいいという問題ではない。試合を行うために、裏方となって働く関係者のリスクをどう考えるか。全国から大勢の選手の来訪を受け入れる関西の人々の安全はどう担保するのか。
 検査の実施によって、選手、学校関係者の中に感染者がいないと確定できない以上、人の往来は極力避けなければならない。感染リスクが高まり、人々の日常生活に多くの制限がかけられている以上、感染予防の大義と「球児たちを甲子園に」というセンチメンタルな感情を同じ土俵で語ってはなるまい。
 見渡してみれば、嘆きの春を迎えている人たちは、スポーツ界だけではない。だからこそ、いまは心を一つに。「中止」のニュースをそんなふうに受け止めた。
(小西晶) 

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