運動部デスク日誌

ロード

2020/6/24

 何でもないような事が 幸せだったと思う。何でもない夜のこと〜。
 2週間の長期ロード中だから言うわけではないが、THE虎舞竜のこの曲は、現在のカープ担当記者の偽らざる心情であろう。新型コロナウイルスの感染拡大に振り回されたプロ野球。開幕した今も、その影響は色濃く残っている。
 現場の番記者にとっての「何でもないような事」とは、普段の取材活動である。試合前のベンチやベンチ裏で選手やコーチと話をし、練習を見る。試合後は再び、ベンチ裏に戻り、監督や選手に取材し、その日のコメントを聞き出す。何も特別なことではない。毎試合、無意識に繰り返されてきた、当たり前のことばかりである。
 その何でもないような事の前に今、異例の取材規制が立ちはだかっている。感染予防の観点から、番記者はベンチに入ることができず、選手との接触を原則禁止されている。試合後も、取材に対応するのは監督と少数の選手のみ。対象者1人につき、取材は記者1人に限定され、しかもスタンドから。野球中継の最後に、そんな風景を見た人もいることだろう。
 Jリーグは試合後の取材に、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使用し、選手との接触を禁止している。このような環境で、選手から本音を聞き出すのは至難の業だろう。感染リスクを考慮すれば致し方ないことではあるが、ペナントレースは長丁場。ファンにとっても記者にとっても、「何でもないような夜」に一日も早く戻れるよう、願ってやまない。(小西晶)
 6月、7月は全文ご覧いただけます。

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