耳を澄ませて
2020/6/28
欧州主要リーグから遅れること約3週間、日本にもようやくサッカーのある日常が戻ってきた。27日、J2が約4カ月ぶりに再開し、J3が約3カ月半遅れて開幕した。無観客開催でテレビ越しとはなるが、今は試合観戦できることを素直に喜びたい。
無観客試合では「音を楽しもう」と言われる。一足早く始まったプロ野球ならバットにボールが当たる音、投球がミットに収まる音、ベンチでの選手の声。ではサッカーなら、どんな音を楽しめばいいか。個人的には、監督や選手が頻繁に交わす戦術確認の声に関心を持っている。
テレビ画面を凝視しながら、じっと耳を澄ます。アナウンサーの実況の合間に、ピッチ上で指示を出し合う選手の声が響いている。例えば守備ならマークをどうするか、空いたスペースをどう埋めるか。攻撃ならパスや動きだしのタイミングのすり合わせ…。
そんな声をなんとか聞き取っていると、選手たちがどんなことを考え、何を意識しながらプレーしているかが、おぼろげながら見えてくる。静かなスタジアムだからこそ聞こえる声をもとに、自分なりにプレーの先を読んでみたり、チームの戦い方を考えてみたり。無観客ならそんな楽しみ方もできると前向きに考えている。
J1は7月4日に再開し、10日からは段階的に観客を入れていく。ただ、鳴り物や声を出しての応援は当面できないそうだ。ならばスタジアムでも、選手たちの声に耳を澄ませながらプレーを追うのも一興だろう。(日野淳太朗)
6、7月は全文ご覧いただけます。
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