運動部デスク日誌

底力

2020/7/1

 プロ野球は開幕して1週間が過ぎ、Jリーグ1部も4日に再開予定。アマチュアも大会開催の動きが見え始め、少しずつではあるが、われわれの生活の中にスポーツが戻りつつある。だから、思ってしまうのかもしれない。あの男は何をしているのだろうか。リオデジャネイロ五輪陸上男子400メートルリレー銀メダリスト、山縣亮太である。
 中国新聞の紙面から、「山縣」の名前が消えて久しい。最後に登場したのは、4月1日付の「織田記念中止」の記事。新型コロナウイルスの影響で軒並み大会が中止になったこともあるが、約1年2カ月も大会に出場していない。現在は日本で調整中と聞くが、所属先のセイコーも感染予防の観点から練習取材を受けていない状態。現状を伝える手段は正直ない。
 東京五輪開幕まで1年と22日。経験のある山縣とはいえ、長いブランクを考えると、十分に時間があるとは言い難い。まずは、大会に出場しレース感を取り戻すこと。コンディションを上げ、五輪の参加標準記録をクリアし、代表選考会となる来年6月の日本選手権でライバルに勝つ。9秒台の勝負になるかもしれない。東京のスタートラインへの道のりは、それだけ険しいということだ。
 それでも、悲観的にならずに済むのは、逆境に強い山縣を何度も見てきたからだろう。腰痛を克服し、リオ五輪へと一気に駆け上がった4年前のような復活劇は再び見られるだろうか。彼の底力を信じて待つ。(小西晶)

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