新観戦様式
2020/7/17
少年だった昭和の時代、広島市民球場によく通った。空席も目立ったスタンド。カープが守りの時、投手が一塁にけん制球を投げると自然発生的に観客の「アウト」の声が響く。他球場の試合速報で、巨人が負けていると、大拍手が起きる。ヤジも飛び交っていたが、どことなくほほ笑ましかった。オールドファンの方にはなじみの光景だろう。当時の球場の雰囲気がとても楽しかった。
マツダスタジアムが完成し、雰囲気はがらりと変わった。連日大入りで真っ赤に染まったスタンド。応援歌の大合唱に、名物のスクワット応援、ジェット風船…。現代の野球観戦のスタイルとして定着した。
ことしは新型コロナウイルスの影響で、観戦スタイルが大きく変化した。マツダスタジアムでは14日の巨人戦から5千人以下で観客が入るようになった。前後左右で間隔を空け、鳴り物やジェット風船、大声を出しての応援は禁止となった。
物足りなさもあるだろうが、新聞やニュースで報じられるファンの声は、生で野球が見られる喜びの方が多かったように思う。残念ながらカープは巨人に3連敗。ファンは期間限定の「新観戦様式」で、選手に力を送り続ける。
(下手義樹)
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