運動部デスク日誌

誇り

2020/7/24

 日本歴代5位、外国人投手では最多の234セーブを挙げたサファテ(ソフトバンク)が広島に在籍していた時、こんな質問をしたことがある。守護神は連日連夜、試合で最も重要な1イニングを担う。シーズンの流れを決する1イニングになる場合もある。それほどの重圧と闘うための、あなたの武器は何ですか。
 「プライドかな」。それが、答えだった。勝敗を託される誉れ。指揮官から「おまえを出して、駄目なら仕方ない」と全幅の信頼を受け、マウンドに向かう誇り。それらが、恐怖感や重圧に立ち向かう勇気を与えてくれる。そのような内容だったと記憶している。
 この話を思い出したのは、先日こんな試合があったからだ。19日のDeNA―巨人戦(横浜)。球界を代表する抑え投手であるDeNAの山崎康が巨人打線に捕まった。驚いたのは同点にされた場面で降板させられたこと。このラミレス監督の采配には、多くの野球評論家から批判の声が挙がった。大半が山崎康の「誇り」を気遣っての意見。それだけ、「抑え」とは特別なポジションということだろう。
 さて、2020年は守護神にとって受難のシーズンとなっている。広島も例に漏れず、新外国人スコットが期待に応えられず、代役の菊池保も救援失敗を重ねている。抑えの経験の少ない投手に「誇りを胸に」と言っても無理な注文だろう。ならば、経験や適性はともかく、思い切って信頼できる投手に託してみてはどうか。一岡も立派な候補だが、私の頭の中には、2軍にいる沢村賞左腕の名前が浮かんでいる。(小西晶)
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