運動部デスク日誌

切実な訴え

2020/7/30

 想定していた事態ではあるだろう。対策も考えていただろう。ただ実際に起きた時、ここまで波紋が広がることまでは想像できなかったかもしれない。Jリーグがいま、新型コロナウイルスによる試合中止に揺れている。
 25日にJ1名古屋の選手が感染していたことが判明し、26日に予定されていたサンフレッチェ戦が当日になって中止となった。公式戦再開後、初めての事態。感染者が出ることは想定していただろうし、その際は中止も選択肢に入れることを検討していたはず。
 実際は村井チェアマンの英断で中止が決まったそうだが、事前のシミュレーションから大きくかけ離れてはいないだろう。あとはこの試合の代替日を決めれば、シーズンの完全消化に支障はない。
 しかし、ことは単純ではない。名古屋の次戦の対戦相手である柏が、試合の延期を求めているという。選手やスタッフの安全を第一に考えた末の判断。さすがにボイコットまでは考えず、試合に向けて調整しているそうだが、切実な訴えであることは間違いない。
 サッカーは接触プレーが多いだけに、現場の不安、恐怖は理解できる。もし名古屋戦が実施されていたら、サンフレの選手は不安なく思い切りプレーできただろうか。そうした思いをないがしろにしてまで、シーズンを続行していいのか。今後も同様の事態が発生した時、試合を拒否する選手が出てくるかもしれない。「コロナとの共生」が避けられないいま、Jリーグには対策を丁寧に説明することが求められる。(日野淳太朗)
 7月は全文ご覧いただけます。 

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧