運動部デスク日誌

復帰

2020/8/1

 ようやくというか、やっとというか。そんな気持ちで、このニュースに触れた。男子100メートルで3大会連続の五輪出場を目指す山縣亮太(セイコー、広島・修道高出)の1年3カ月ぶりとなる復帰レースが決まった。23日に国立競技場で行われる「セイコーゴールデングランプリ」。サニブラウンを除く国内トップスプリンターが集結し、代表レースの号砲が鳴る。
 表舞台から消えていたこの1年3カ月で、山縣の立ち位置は激変した。最後に出場したのは2019年5月19日、セイコーゴールデングランプリ。山縣は五輪最有力候補だった。しかし、このレースで桐生祥秀(日本生命)小池祐貴(住友電工)に先着を許し、2年ぶりに日本人選手に敗れる。翌6月にはサニブラウンが9秒97の日本新記録を樹立し、7月には小池が日本人3人目の9秒台(9秒98)をマーク。一気に崖っぷちへと追いやられた。
 山縣にとって、この復帰レースの持つ意味は大きい。一つはタイム。すでにサニブラウン、桐生、小池の3人は五輪参加標準(10秒05)を突破している。この記録をクリアできるというポテンシャルを見せなければ、代表争いのスタートラインにすら立てない。二つ目はレース内容。仮に、ライバルたちに惨敗するようなことになれば、追う立場の山縣はより厳しい立場に追いやられることになる。
 世代交代の波を押し返す。とてつもない高いハードルだが、ここまで何度も逆境を力に変えてきた山縣である。「復帰」が「復活」への一歩となるような走りを期待している。
(小西晶)

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