失われた経験
2020/8/14
コロナ禍の状況下では仕方ないことだと重々、理解している。当然の選択であることも。それでも素直に割り切れない思いがある。12日に予定されていたJリーグのYBCルヴァン・カップのサンフレッチェ広島―鳥栖が中止となり、さらに代替試合を行わないことも決まった。
中止の原因となった鳥栖の新型コロナウイルス感染者は計10人に上り、25日までの活動自粛となった。代替試合を組むとすればそれ以降になるが、ルヴァン杯は9月2日から準々決勝が始まる。その間に試合を入れるのは極めて厳しい。
それに両チームとも1次リーグ敗退が決まっている。代替試合をやったとしても「消化試合」になるから、無理にやる必要はないとの判断もあったのだろう。たかが1試合とはいえ公式戦が失われたのは痛い。
特にカップ戦は普段は出場機会の少ない選手がプレーできる貴重な場。観客が入ってテレビ中継もされる試合では、練習試合とは比べられないほどの経験値を得られる。この1試合で、飛躍のきっかけをつかむ選手がいたかもしれない。プロの壁を痛感し、さらに精進しようと決意する選手がいたかもしれない。
担当記者によると、サンフレの若手選手たちは鳥栖戦に向けて腕をぶし、中止の決定には落胆していたという。彼らを思うと何ともやりきれない。(日野淳太朗)
あなたにおすすめの記事
記事一覧
- 応援したいから、応援に行かない(2021/1/10)
- 広島愛(2020/12/28)
- 古き良き時代(2020/12/16)
- ディープインパクト(2020/12/6)
- 最上級の「バリバリバリ」(2020/11/29)
- 同日に2020年王者決まる(2020/11/26)
- 形骸化する日本シリーズ(2020/11/25)
- 頑張れトラさん(2020/11/23)
- 原マジックはあるか(2020/11/22)
- まだまだ若い(2020/11/21)