運動部デスク日誌

未来

2020/8/23

 未来へ、刻め―。山縣亮太、桐生祥秀の写真が印刷してあるオフィシャルプログラムの表紙を眺めながら、「いよいよ」との思いを強くした。23日、国立競技場で開催されるセイコー・ゴールデングランプリ陸上。山縣が1年3カ月ぶりに、男子100メートルのスタートラインに立つ。
 22日に行われたオンライン会見。すっきりした表情で記者の質問に答える姿を見て、ほっと胸をなで下ろした。山縣にとって、今大会は所属先の冠大会。仮にコンディションが上がっていなくても、容易に欠場を決断できない大会だった。ただ、会見を見る限り、その心配は杞憂(きゆう)に思えた。再スタートに向け、力みも高ぶりも感じない。自然体の山縣に見えたからだ。
 午後4時45分スタートの決勝の行方は―。予選の走りを見ていない今は、何とも言いようがないが、過剰な期待は禁物だろう。山縣がターゲットとするのは10月の日本選手権。そこへ向けては、まずは故障なく、予選、決勝を走り切ることが大切。その上で、昨大会の10秒11を上回れれば、成果は十分と言っていいのではないか。
 この日、世界陸連会長で国際オリンピック委員会(IOC)委員のセバスチャン・コー氏が、来年に延期された東京五輪を開催できるかどうかについて「確実性はない」と語った。だが、今の山縣が気にする必要はないだろう。東京五輪は復活を証明して初めて見えるものだからだ。再出発の舞台で、どんな一歩を刻むのか。山縣が追いかける未来を、元担当記者としてしっかりと見届けるつもりでいる。(小西晶)

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