運動部デスク日誌

勝ち運

2020/8/27

 選手同様、スポーツの現場を渡り歩く記者にも、勝ち運を持つ者と持たざる者がいる。つまり、取材先で勝ち原稿ばかり書いている記者と、逆に負け原稿ばかり書いている記者に不思議と分かれるのである。カープ、サンフレとプロスポーツ担当が長かった私は、明らかに後者であった。
 カープで言えば、15年も取材に携わりながら、優勝の経験なし。球炎を執筆していた9シーズンは悲惨そのもので、勝ち越したシーズンすら1度もなかった。トータルでは、562勝693敗45分けで勝率4割4分8厘。ちなみに、4年務めたサンフレ担当では、初めてのJ2降格を経験している。
 だが、仕事の内容が変わると、運気が変わることもある。私にとっては、2014年の五輪担当就任が変わり目となった。初めてのアマチュアスポーツ担当で、優勝原稿を書く喜びを知った。2015年の全国高校駅伝では世羅高の男女同時優勝を経験。翌16年のリオデジャネイロ五輪では、競泳女子200メートル平泳ぎ金メダルの金藤理恵など、金2銀4銅1の計7人のメダリストを取材した。あの感動は一生忘れることはないだろう。
 この勝ち運は、デスクとなった今でも残っている。カープ3連覇に立ち会ったことがそう。そして、下位に沈む今季も、野球デスクに入った日は今夜で13勝8敗4分け。8月に限れば、7勝1敗2分けである。「残り試合、全部デスクに入ったら、逆転優勝するんじゃない」と冷やかされながら、この運気がどこまで通用するかと、大真面目に考えている。(小西晶)

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