運動部デスク日誌

2020/8/28

 別れることは永遠にないと思っていた。13歳から過ごすバルセロナで選手生活を全うし、引退後もクラブの「レジェンド」として生き続けることを疑うことはなかった。ところが、サッカー界のスーパースター、メッシはスペインの強豪クラブとたもとを分かつ決断をしたようだ。プロの世界は移籍がつきものとはいえ、驚きは大きかった。
 決断の理由を探ろうと、各メディアに目を通してもっと驚いた。J1神戸が獲得を否定したことが、ニュースになっているのである。強化責任者いわく、「想像したことはあるが、現実的ではない」。多くの人が、そりゃそうだと思うだろう。年俸が60億円を超え、移籍金が880億円とも言われる世界屈指のスーパースターが日本に来るわけがない。
 一昔前なら、そう一笑に付された。しかし今は少し事情が違う。神戸は同じバルサのスーパースター、イニエスタやビジャをはじめ、ポドルスキら大物を獲得した実績がある。資金力もそれなりにある。だからメディアも単なる冷やかしではなく、真面目に神戸の意向を取材したのだろう。
 スペインでの報道によると、メッシの選択肢は二つあるという。イングランドの強豪マンチェスター・シティーなど優勝を狙える欧州のビッグクラブへの移籍。もう一つは、かつてのチームメートが現在所属するチームで引退の準備を始めること。その中には、イニエスタがいる神戸も含まれる。
 さすがにJリーグでプレーするのは現実味が薄いなと思いつつ、もしかしたらとも夢想する。以前なら夢さえ見られなかった。そう考えると、Jリーグも少しだけ世界に近づいたと感慨深くなる。(日野淳太朗)

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧