運動部デスク日誌

指揮官が進む道とは

2020/9/5

 かつて球炎で書いたことがあるのだが、「いい政治とは、国民に政治を感じさせない政治」という言葉があるという。これに倣えば、「いい野球とは、観客に采配(さいはい)を感じさせない野球」ということになろう。この言葉を思い出したのは、DeNA・ラミレス監督の采配に驚いたからである。
 3日の巨人―DeNA戦(東京ドーム)。指揮官が選んだ先発は中継ぎのパットンだった。2013年のマイナー以来先発経験はなく、適性は未知数。13連戦中とはいえ、ピープルズ、井納は登板可能であったという。結果は二回途中9失点でKO。その後、救援でピープルズ、三嶋を起用したことを含め、ファンの非難が殺到しているという。
 これは、かなり極端な例ではあろう。ただ、低迷しているチームであれば、多かれ少なかれ、采配への疑問、批判は生まれてくるものだ。広島も例外ではない。「なぜ代打を出さない」「なぜここで投手を代えない」「なぜこの選手を使うのか」…。ファンに人気のある佐々岡監督であっても、そのような声は確実に存在する。
 采配への批判を、「結果論」と言ってしまうことは簡単である。だが、判断や決断への至るまでのプロセスを検証しなければ、また同じ失敗を繰り返すことにもなりかねない。歓喜の引き分け劇の中にも、振り返るべき点はあるかもしれない。一つの失敗を次の成功に生かすには。自問自答しながら進むのも、指揮官の道である。
(小西晶)

  • 前の記事へ
  • 次の記事へ

 あなたにおすすめの記事

記事一覧