運動部デスク日誌

神の子、もとさや

2020/9/6

 当欄で「神の子」の別れ話を書いてから1週間あまり、ひとまず元のさやに収まることになった。サッカー界のスーパースター、リオネル・メッシが退団決意から一転、バルセロナに残留することを表明した。とりあえず来季も「ブラウ・グラナ」(クラブカラーの青とえんじ)のユニホーム姿を見ることができる。
 翻意した原因は移籍金にある。バルサとは契約を1年残しており、他クラブへ移るとなれば移籍金が発生する。その額、推定で880億円。メッシは契約解除できる特別条項の行使を主張した。しかし、バルサは行使期限が過ぎたとして拒否した上、移籍金の減額にも応じなかった。
 さすがに、こんな大金を払えるクラブはない。メッシが移籍を希望するなら、残された道は裁判で特別条項の行使を認めてもらうしかなかった。しかし、13歳から育ててもらったクラブを相手に法廷闘争することは、さすがにできなかったのだろう。
 不本意ながら残留を決めたメッシは「プレーに臨む姿勢は変わらない。最善を尽くす」と強調する。一方で、こうも話している。「私はバルセロナが大好きで、ここより良い場所を見つけるつもりはない。それでも新しい目標、新しい挑戦を探すのは何でもないこと」。これは新天地を求める意志に変わりはないという意味なのだろう。新シーズンが始まっても、世界中を巻き込んだ去就を巡る狂騒曲は続きそうだ。(日野淳太朗)

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