運動部デスク日誌

アンガーマネジメント

2020/9/9

 注意一秒、けが一生。セルビアにそんなフレーズがあるかどうか分からないが、ノバク・ジョコビッチはまさにそんな気分だろう。テニスの全米オープンに出場した世界ランク1位は、危険行為を行ったとして失格処分を受けた。それだけではない。4回戦進出で得た賞金25万ドル(約2700万円)を没収された上、計1万7500ドル(約190万円)の罰金を科されたのである。
 失格となったのは、6日の男子シングルス4回戦でのこと。リードを許してベンチに戻る時、悔し紛れにコート後ろに打ったボールが線審を直撃した。この場面はテレビなどで映像が繰り返し流れていて、目にした人も多いだろう。故意には見えなかったが、軽率な行為だったのは間違いない。
 スポーツの世界では、選手がさまざまな形で怒りをぶつける姿を目にする。野球なら冷蔵庫を殴って利き手を骨折した投手がいたし、サッカーならワールドカップ決勝という大舞台で相手選手を頭突きして退場した選手がいた。確かに怒りが選手の成長のスパイスになることはあるが、たいていはマイナスに働く。
 ただ世界のトップ選手でさえ、怒りをコントロールするのは難しい。それだけ競技に命を懸けている証しだろう。ともあれ、一度でも怒りに任せてこういうことをやってしまうと「問題児」のレッテルを貼られ、イメージダウンにつながる。何より見ている方も気分がいいものではない。(日野淳太朗)

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