残念な水増し
2020/9/20
プロ野球とJリーグで19日から入場者数の上限が引き上げられた。首都圏を中心にまだ慎重な対応を取るチームもあるが、通常の観戦スタイルへ少しだけ前進したのは明るい話題である。一方で入場者数を巡っては最近、残念なニュースが飛び込んできた。J3秋田が2014〜19年の主催試合85試合で虚偽の入場者数をリーグに報告していた。
秋田は入場者を正確にカウントしていなかった上、本来なら算入できない関係者も入場者に入れて水増ししていた。ルールを正確に把握できておらず、意図的ではなかったと釈明しているそうだが、信用を損なう行為であることは間違いない。リーグからは400万円の罰金処分を受けた。
入場者の水増しは過去にもあった。10年にJ1大宮、17年にJ2長崎、19年にはJFLの奈良で虚偽報告が発覚した。手法はそれぞれだが、共通しているのは実態以上に自分たちの人気を高く見せたいという心理だろう。それがチームの価値を高め、スポンサーへのアピールにつながると考えたのかもしれない。また昇格条件の一つに年間入場者数があることが、動機になっているケースもあった。
気になるのは処分に違いがあること。大宮は制裁金2千万円、長崎は300万円。Jクラブではない奈良は100万円に加え、Jリーグ準加盟に相当する「百年構想クラブ」の資格を剥奪された。処分内容は悪質度や水増し数などを勘案して決めているという。しかし多くの関係者をだまし、ひいてはリーグ全体の信頼を失墜させるという結果は同じ。リーグには断固とした対応を期待したい。(日野淳太朗)
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