ブラウン監督の教え
2020/9/23
「悩みまくっている。投手がいない。(中略)このままではいけない。何とかみんなで立て直さないと。プロなんだから、負けっぱなしではいけない…」。これ、佐々岡監督のコメントのようにも思えるが、そうではない。水本2軍監督の22日の試合後のコメントである。ウエスタンリーグで阪神に3―8で敗れ、9連敗を喫した。
負け方も1軍に似ていると、取材記者は言う。一言で言えば、「投壊」である。この9連敗中、1試合平均で7・3点を失い、平均与四球は5個。1軍の9月の数字と酷似している。先発が踏ん張れない。四球が多く、失点につながる。球数が増え、長いイニングを担えない。しかし、中継ぎ以降の投手は駒不足。完全に負のスパイラルに陥っている。
さて、どうしたものか。ため息をつきながら、思い出すのはブラウン監督の教えである。監督に就任した2005年オフ、壊滅状態にあった投手陣に対して最初に指示したのが、「ストライク勝負」の徹底だった。「力はあっても、打たれるのを怖がり、逃げて、四球が増える。一番大切なのは、『言われるほど悪くない』という自信を植え付けることだ」。四球減や防御率の改善など、投手陣の再生は、ブラウン監督の一番の功績だったように思う。
全てがメンタルで片付けられるほど、今の悩みは単純ではないかもしれない。だが、1、2軍に漂うこの閉塞感を打破するには、ブラウン政権のような大胆な改革が必要だろう。来季に向けて何ができるか。何が必要か。残り試合はそれを見極めるための時間にしたい。(小西晶)
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