運動部デスク日誌

この道を行けばどうなるものか

2020/9/30

 東京五輪・パラリンピックの聖火リレーの日程が決まった。来年3月25日に福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」をスタートし、121日間で全国47都道府県を巡る。広島は5月17、18日の予定となっている。だが、なぜだろう。「近づいてきた」という実感や高揚感が全くない。そんな人は多いのではないか。
 理由は明白。政府や大会組織委員会の関係者は「五輪は絶対にある」と公言してはいるが、コロナ禍の半年間を知るわれわれには、その難しさが骨身に染みて分かっているからだ。世界に目を向ければ、死者が100万人を超え、WHOは「ワクチン完成前に200万人に達する可能性も」と警鐘を鳴らす。この道が五輪の開会式へ向かっているかどうか。見通すことはできない。
 この状況を、複雑な思いで見つめているのは、誰より代表選手だろう。大会まで1年を切った今も、柔道の「グランドスラム東京大会」のように、国際大会の中止は相次いでいる。先日、ある選手が「国民のみなさんが反対するのであれば、五輪をやる必要はないと思う」と語ったという報道が話題になったが、同じような考えの選手がいても不思議ではないだろう。
 「この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ」。アントニオ猪木の言葉のような心持ちで、五輪を考えられる日がくるのだろうか。晴れない思いを抱えながら、山縣のいない陸上日本選手権の開幕を待っている。(小西晶)
 

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