運動部デスク日誌

ワールドカップのレガシー

2020/10/14

 あの歓喜から1年がたつ。2019年10月13日。ラグビーワールドカップ日本大会で、日本はスコットランドを28−21で破り、1次リーグ無傷の4連勝。9度目の出場で初の8強入りを果たす歴史的快挙をなし遂げた。台風で開催が危ぶまれたことも含め、覚えていらっしゃる方は多いことだろう。
 大勝負だった。勝つか引き分けで悲願の決勝トーナメント進出が決まる。国民の期待も高まり、ホスト国としての使命もあった。過去に背負ったことのないであろう重圧の中で、日本は堂々と勝った。このデスク席で感動に酔いしれながら、試合終了のホイッスルを聞いた。
 その夜、本欄で「日本ラグビー界の歴史は大きく変わる」と書いた。その願い通り、大会終了後も、ラグビーブームは衰えなかった。テレビの露出は、日本代表の選手が出ない日がないほどで、1月に開幕したトップリーグには、世界のスター選手が集結し、過去にないほどの観客を集めていた。
 しかし、この盛り上がりに新型コロナウイルスの感染拡大が水を差した。トップリーグは4月以降の全試合が中止となり不成立に。日本選手権も史上初の中止。日本代表の活動も白紙となった。その後、世間の話題からラグビーは消えた。半年近くたった今も、その状況に変わりはない。
 ただ、このままだとは思ってはいない。人々には、1年前の熱い記憶がまだ残っている。その記憶が薄れていく前に、もう一度あの興奮を届けてほしい。W杯のレガシーが未来へと生かされるかどうか。まもなく本格化する今シーズンにかかっている。
(小西晶) 


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