運動部デスク日誌

本塁打王争い、ラストスパート

2020/10/21

 長い低迷期に担当していたから言うわけではないが、消化試合の楽しみ方はいろいろとある。来季に向けて起用された若ゴイたちの頑張りがそう。もう一つある。タイトル争いだ。今のカープで言えば、大山(阪神)まで2本差に迫る鈴木の本塁打王争い。今夜もその一打席一打席をドキドキしながら見守った。
 初の本塁打王への挑戦。そう言って思い出すのは、1993年の江藤である。チーム状況は今のカープとよく似ている。当時は8月から9月にかけての12連敗で一気に失速し、山本浩二監督が辞意を表明。最下位にあったチームで、数少ない明るい話題が江藤のブレーク、そして本塁打王の獲得だった。
 今の鈴木は26歳で、当時の江藤は23歳。すでに日本代表の4番を担う鈴木と江藤では、年齢も立場も違う。一つ共通点があるとすれば、自分の打撃とストイックに向き合っている点だろう。いつも穏やか、のんびり屋のように見える姿から想像できないほど、江藤は打撃に神経質だった。タイミング、間合いに始まり、グリップやあごの位置まで…。「勝利につながる一打でないと意味がない」という口癖も、どこか鈴木に似ていたように思う。
 明らかに違うのは、江藤は最後独走で初タイトルを獲得したのに対し、鈴木は大山、岡本(巨人)、村上(ヤクルト)らと競り合っている点か。各球団とも、いよいよ大詰め。鈴木がどんなラストスパートを見せるのか。27年前の若き大砲の姿と重ねながら、見届ける。
(小西晶)


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