運動部デスク日誌

いまそこにある危機

2020/10/28

 存亡の機にあると言っても大げさではない。Jリーグの村井チェアマンは「地域におけるわれわれの存在意義を失う」とまで言い切った。それほどまでに、この1カ月あまりに相次いだJリーガーの不祥事は衝撃的であり、影響は計り知れない。
 9月27日にJ2新潟の選手が酒気帯び運転で事故を起こし、今月20日にJ1仙台の選手が知人女性への暴力で逮捕されていたことが発覚。追い打ちを掛けるように26日にはG大阪が、所属選手が飲酒運転で接触事故を起こしたと発表した。過去にも逮捕された現役Jリーガーはいた。しかし、短期間でこんなに続いた例は記憶にない。
 問題をより深刻にしたのはクラブの対応である。G大阪は早い段階で公表したが、新潟と仙台は事案を把握しても公表せず当該選手を試合に出場させていた。そして週刊誌の報道で明らかになってから、慌てて発表したのである。隠蔽と言われても仕方あるまい。
 村井チェアマンは冒頭のコメントの前に、こうも言っている。「Jリーグにとって勝ち負け以前に一番大事なのは地域に貢献し、必要だと思ってもらうこと」。Jリーグは地域密着を掲げて誕生し、地域に支えられて発展してきた。一連の不祥事と新潟、仙台の対応は支えてきた地域を裏切り、自らリーグの理念を毀損する行為である。
 新潟、仙台は当該選手の契約を解除し、G大阪も同じ対応をするだろう。問題はそれで終わりではない。全てのフロント、スタッフ、選手がチェアマンの危機感を共有し、サッカーに誠実に取り組むことが求められる。(日野淳太朗)

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