運動部デスク日誌

「縁」

2020/10/29

 何かの縁を感じる。26日にあったプロ野球のドラフト会議で、広島はトヨタ自動車の右腕栗林良吏の単独指名に成功した。
 2年前の名城大時代、栗林はドラフト候補に挙がっていた。ただし、2位までにどの球団からも指名がなかったら、社会人に進むことを表明していた。広島も指名候補にリストアップしているという情報を聞き、関西、東海地区の取材担当だった私はドラフト当日、名古屋市の名城大で待つことにした。
 大学では会見場が設けられ、2位までに指名があれば会見を行う予定になっていた。多くの報道陣とともに、栗林も会議をテレビで推移を見守った。しかし2位までに名前は呼ばれず、一言も発することなく会見は中止に。肩を落として会見場を後にする栗林の姿が印象に残っている。
 この年のドラフトで、広島は1位で小園を、指名が予想された地元の中日は根尾を、それぞれ抽選で交渉権を獲得した。抽選次第ではどこかの球団から声がかかる可能性があったのかもしれない。各球団の戦略がぶつかり合うドラフト会議。運命といえばそれまでだが、20歳代前半の若者にとっては酷な一日だっただろう。
 それでも、悔しさをばねに社会人で大きく成長。社会人ナンバーワンと呼ばれるまでスケールアップし、自らの力で1位指名を勝ち取った。遠回りした2年は無駄ではなかった。カープのユニホームに袖を通す日が待ち遠しい。
(下手義樹)

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