運動部デスク日誌

パワハラ指導者に再出発はあるのか

2020/11/6

 かつてスポーツ現場ではパワハラ指導が当たり前の時代があった。近年はさすがに競技団体が厳しく対応しているが、ひとたび「パワハラ指導者」と認定された人物を現場に戻していいのか。それとも永久追放すべきなのか。そんなことを考えるきっかけが最近、二つ続いた。
 一つはサッカーで、昨季までJ1湘南を率いていた曹貴裁氏。選手やスタッフへの暴言などが発覚し、監督を退いた。現在は流通経大サッカー部のコーチ。一部報道によると、浦和が来季の監督候補にリストアップしているという。資金力がない湘南で特長のあるチームをつくり上げた手腕に疑いはなく、再びJリーグで見たいとは思う。一方で、同じ過ちを繰り返さないか懸念する声があるとも聞く。果たして正式オファーにつながるのかは見通せない。
 もう一つはバスケットボール。B1島根が3日、鈴木裕紀監督の退任を発表した。鈴木氏も1月に選手やスタッフへのパワハラ行為が明らかになり、2カ月の職務停止処分を経て今季から復帰していた。しかし、一度壊れた選手との信頼関係を築き直すのは難しかったのだろう。やまない批判の声もこたえたのだろう。旧知の広島の堀田監督によると、心身ともに疲弊し、自ら職を辞すことを決めたという。
 一度失敗すれば、復帰への道のりは果てしなく険しいということ。人はなかなか変わらない現実がある。しかし、改心すれば再出発のチャンスがあってもいいのではないか。その見極めは難しいし、何が正解なのか明快な答えが見いだせない。(日野淳太朗)

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