運動部デスク日誌

あっと驚くアイデア

2020/11/15

 陸上男子400メートル障害世界選手権銅メダリストの為末大さんらが企画した「ひろしまストリート陸上プラス」が14日、広島グリーンアリーナで開かれた。5月のひろしまフラワーフェスティバルの恒例イベントで、ことしは新型コロナウイルスの影響で中止に。屋外からアリーナに移して実現させた。
 為末さんのアイデア、発想にはいつも驚かされる。2007年には自ら出演したテレビのクイズ番組で獲得した賞金1千万円をもとに、東京・丸の内のオフィス街で「東京ストリート陸上」を開催した。高層ビルに挟まれた道路に陸上のトラックを設置し、ハードルを軽快に跳び越えた。棒高跳びの選手はビルの3階に相当する5メートル以上の高さを跳ぶなど、通りがかりの人たち約2500人から大歓声が巻き起こった。11年からは地元広島でも実施している。
 理論も特徴的だ。広島で子どもたちにハードリングを指導する時「サーカスの火の輪をくぐるイメージで」とアドバイス。現役時代は赤ちゃんのハイハイをヒントに、腕を引く力を強くすることでスプリント力アップを目指した「ハイハイ走法」を生み出した。ユニークかつ、理にかなっていて分かりやすい。
 為末さんはかつて「陸上競技は誰が一番速いかなど、シンプルだが芸術性がある」と語っていた。根底にあるのは「陸上競技の素晴らしさを身近に感じてもらいたい」という思いだ。アイデアマンは競技普及のため、あっと驚く企画を温めていることだろう。
(下手義樹)


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