運動部デスク日誌

形骸化する日本シリーズ

2020/11/25

 阪神ファンには、悪夢の日本シリーズが存在する。千葉ロッテとの戦いとなった2005年。阪神は2位に10ゲーム差をつけてリーグ制覇。順当にこまを進めた。千葉ロッテはレギュラーシーズン2位から勝ち上がった。前評判は、打では金本、投ではJFKを要する阪神が上だったと記憶する。
 しかし、いざ開幕してみると、予想は大きく覆された。第1戦が1―10、第2戦が0―10、第3戦が1―10、第4戦が2―3の4連敗。トータルスコア「4―33」の惨敗だった。4戦で9本塁打を含む21長打を浴び、阪神は本塁打なしで長打はわずか2本。1勝もできなかった事実よりも、パ・リーグとの圧倒的なパワーの差のほうがはるかに大きな衝撃だった。
 巨人がソフトバンクに3連敗した今シリーズ。トータルスコアこそ、「3―22」だが、球場に漂っているのは15年前と同じ空気である。勝つどころか、リードすら奪えない。第3戦は安打を1本打つのがやっとだった。「かなわない」というこの無力感は、セ・リーグのどの球団が出てきていても、同じであったに違いない。
 第4戦以降、巨人はセ・リーグの誇りを守れるか。この重圧を巨人だけに押しつけるのはフェアではない。今シリーズの惨状は、シリーズ7連敗中のセ・リーグに突きつけられた「最後通告」である。このまま何もしなければ、日本シリーズの形骸化はより進んでいくだろう。「DH導入」などを含め、リーグとしての新たな方向性を考える時期が来ている。(小西晶)


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