運動部デスク日誌

ディープインパクト

2020/12/6

 伝説の名馬「ディープインパクト」。圧倒的な強さでライバルをねじ伏せ、無敗でクラシック3冠を達成するなど、歴史を築いた。まさに馬名の日本語訳通り「強烈な印象」をファンに残した。4日にあった東京五輪代表選考の陸上日本選手権。女子1万メートルで「ディープインパクト」を与えたランナーがいた。32歳の新谷仁美(積水化学、岡山・興譲館高出)だ。
 異次元の走りだった。早々に独走態勢を築くと、後続を大きく引き離し、何人も周回遅れにした。日本記録を28秒も短縮する驚異的なタイムで制し、東京五輪代表に決まった。
 新谷には興譲館高時代の17年前にも「ディープインパクト」を受けていた。全国高校駅伝。全国的には無名の高校1年生が、トップ級の上級生やケニア人留学生らを抑え、1区区間賞を獲得したのだ。すごい選手が出現したものだ、と驚きしかなかった。新谷は3年生まで3年連続1区区間賞。3年生でチームは全国制覇を成し遂げた。高校時代は天真らんまんな性格で前向き。大舞台でもびびらない強心臓を持つアスリートだった。その面影はいまも残る。
 「(陸上で)対価をいただいている自分は商品」「アフリカ勢をぎゃふんと言わせたい」。5日の一夜明け会見でも歯に衣(きぬ)きせぬ「新谷節」が飛び交った。ビッグマウスと思われがちだが、必ず結果を残してきた典型的な有言実行タイプだ。来夏は世界に「ディープインパクト」を与えられるか。
(下手義樹)


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