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【コイの野球人】会沢翼(1)捕手一筋

2020/5/31 22:50
2006年9月のドラフトで3巡目指名され、祝福される

2006年9月のドラフトで3巡目指名され、祝福される

 ▽高校で努力、面白さ知る

 広島の精神的支柱である会沢は19日の開幕へ、調整ペースを上げている。

 開幕が決まった時にすぐ動けるように練習を積んできた。無観客試合は残念だが、ファンに危険があってはならない。お客さんが入った中、プレーする喜びがあるのがプロ。自分は下積み時代から満員の観衆で試合をすることに憧れていたので、複雑な思いでいる。

 1988年、茨城県日立市出身。野球と出合ったきっかけは家族。

 野球好きの父、10歳上と7歳上の2人の兄の影響が大きかった。野球一家で、野球をしない選択肢はなかった。小学3年で地元のスポーツ少年団に入った。捕手になったのは、やる人がいなかったから。それから捕手一筋だ。

 親からは、野球や生活面で細かいことは言われなかった。言われる前に、2人の兄に叱られた。食事での姿勢やマナーが悪いと、きつく怒られた。「男なんだから、いろんなことを要領よくやれ」と注意された。

 中学時代、野球部員は十数人。一応「4番、捕手」だったが、弱いチームだった。勉強の成績は9段階に分け、中の下。高校は父や兄と同様に科技学園日立高へ進むつもりだった。だが、校長のつてもあり、水戸短大付高(現水戸啓明高)に進んだ。今思えば、あれが転機だった。

 甲子園を夢見て、厳しい練習の日々を送る。

 毎日つらかった。朝、授業前に走らされた。何でこんなことしないといけないのかと思っていた。でも、次第に分かった。一つのことをやり続けることはしんどいが、地道な努力が次につながる。捕手の面白さが分かったのも高校だった。

 1年春にベンチ入りし、夏は試合に出た。茨城大会4回戦。7―4の九回、4点を奪われ、逆転サヨナラ負けした。先輩の最後。責任を感じた。監督にも怒られた。自分は本当にいろんな経験をさせてもらった。

 入団会見での短ランの印象から「不良あがりでしょう」と言われる。誤解だ。高校時代、野球が全てだったが、授業はさぼらなかった。仲間とわいわいしていたが、人に迷惑を掛けるようなことはなかった。

 ドラフト3巡目指名。広島というチームのイメージは持ってなかった。

 1歳上の先輩には後に中日入りした春田剛さんがいた。上下関係が厳しく、親しくする機会はなかったが、プロにいけるレベルが分かった。春田さん目当てにスカウトが学校に来て、自分も見てもらえた。

 甲子園とは縁がなかったが、やりきった思いはあった。ドラフトで指名してくれた広島はあまり知らなかった。高校では通算35本塁打。肩も自信があった。それがプロで打ちのめされた。高いレベルでやるのは簡単ではないと感じた。

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