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【カープ70周年 70人の証言】<44>1993年 大野豊さん(65)

2021/1/16 22:58
大野豊さん

大野豊さん

 ▽津田のあの笑顔、今でも頭の中にある

 オールスターゲーム出場9度目のベテラン左腕は、平常心でいられるはずはなかった。1993年7月20日の第1戦。「東京ドームのロッカールームで訃報を聞いた。あいつがこの世からいなくなったことが信じられなかった」。炎のストッパー津田恒美が32歳で死去。脳腫瘍と闘い抜き、燃え尽きた。

 僚友の死に直面しても、プロ野球選手はグラウンドに立たねばならない。2年前にマウンドを去った速球右腕を弔うように、広島勢は熱く燃えた。球宴に初出場の前田智徳は新人賞を獲得し、江藤智は初安打。野村謙二郎は第2戦(神戸)で優秀選手賞に輝く。

 自らは第2戦で2点リードの九回無死一、二塁で登板、火消しに成功した。同年にパの本塁打王となるブライアント(近鉄)、第1戦MVPの清原和博(西武)から三振を奪う圧巻の投球だった。「津田への思いが非常にあった。彼の力で頑張れたんじゃないかな」。亡き友に背中を押された。
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