店頭のマダコは全て天然物である。稚ダコづくりが難しいとされてきたが、国立研究開発法人水産研究・教育機構の百島（ももしま）庁舎で陸上養殖が軌道に乗りかけている。１月１８日に尾道市東端の離島、百島に渡っ...

　タコは釣ったり、突いたり、引っ掛けたりしても取るが、最も一般的なのはつぼ漁である。４０年近く前まではタコつぼといえば陶器で、縁や胴回りなどを縄で縛って使った。

　三原市でタコつぼ漁を続ける赤穂清人さん（７２）は、物心ついた頃から親に付いて海に出た。中学を出て陸の工場で２年だけ働いた。「おまえが１カ月働いた分を１日か２日で取るど」と父に言われた。それほど海に魅...

　タコつぼ漁を終えた船が三原市漁協（同市古浜１丁目）近くの船着き場へ次々に帰ってきた。漁協の加工場では下処理したマダコを大中小のサイズに分け、真空パック詰め作業の真っ最中。急速冷凍すれば全国発送する「...

　東広島市安芸津町沖でタコつぼ漁を続ける山田明光さん（７４）は「つぼの１割にタコが入っとれば商売になる」と言う。近年、採算ラインを下回る日が増えた。平成初めに安芸津で１０数軒がタコ漁をしていたが、今は...

　瀬戸内海には春から初夏にイカかごでコウイカを取り、それ以外の時季はタコつぼ漁に携わる漁師たちがいる。かごまたはつぼをつるした縄を海に沈めて揚げる漁である。

　瀬戸内海沿いの弥生遺跡からイイダコ用の小さなタコつぼの土器が見つかる。時代が下るとマダコを取る大きめのつぼも焼かれた。日本人は世界で最もタコを好んで食べてきたと言われる。その割にはタコの詳しい生態は...

　天然物のクロマグロが減り、鮮魚売り場で幅を利かせるのは養殖物である。養殖場は国内に１８８カ所あり、昨年の出荷量は１万９５８８トンと国内の天然物漁獲の２・５倍にのぼる。その現場を訪れた。

　島根県隠岐の周辺で１９８２年７月、境港の巻き網船団が漁獲したクロマグロ１万１８３８本の平均体重は１１８キロだった。６〜８歳成魚の産卵場の海域だったとみられる。

　産卵期のクロマグロを取る大中型巻き網船団の１カ統は網船、運搬船、探索船の計４、５隻からなる。群がる鳥を目当てにソナーや魚探も使って群れを探し、魚群を囲み込むように網を巻いて漁獲する。