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避難生活での気遣いや不安 「子連れ、迷惑考えて廊下で睡眠」

2018/7/11 0:00
土井美紗織さん(左)は、夫(26)と1歳の長女と一緒に避難した。「避難がどれだけ長引くかわからない。無事に生まれてくれればいいけれど…」(10日午後1時10分、広島市安芸区の矢野南小)

土井美紗織さん(左)は、夫(26)と1歳の長女と一緒に避難した。「避難がどれだけ長引くかわからない。無事に生まれてくれればいいけれど…」(10日午後1時10分、広島市安芸区の矢野南小)

 西日本豪雨から11日で6日目。広島市と府中、海田、熊野、坂の4町では計2048人(10日午後5時現在)が避難生活を送る。今、一番大変なこと、困っていることは何だろう。避難所に身を寄せる人たちの声を聞いた。

 <妊婦・子ども>

 ◆妊娠9カ月。妊婦健診の予定だったが行けず、今後もめどが立たない。(広島市安芸区矢野東・土井美紗織さん・31歳)

 ◆妊娠9カ月で、和式トイレがつらい。(同・会社員女性・30歳)

 ◆1歳10カ月の子どもと避難した。他の避難者への迷惑を考えて廊下で寝ているが、全く眠れず限界に近い。(坂町・女性・21歳)

 <高齢者>

 ◆母は病気でほぼ歩けず、薬は全て流された。病院で受け入れを断られ、車いすで避難所まで来た。雑魚寝をした母は高熱を出し、結局別の病院に搬送された。病気の高齢者に優しい避難所になってほしい。(坂町・自営業馬田隆二さん・46歳)

 ◆足が悪く一人でトイレに行けない。人に頼るのは心苦しい。(坂町・70代女性)

 <ペット>

 ◆鳴き声や臭いが迷惑になると思い、猫を自宅に置いてきた。ペットと一緒に避難できるようにしてほしい。(安佐北区口田南・小野和子さん・65歳)

 <お金>

 ◆お金は財布の中にあるだけ。土砂が流れ込んだ自宅に取りにも帰れず困っている。(安佐北区口田南・女性・86歳)

 ▽困り事にどんなサポートあるの? 薬提供や口腔ケア対応

 さまざまな困り事に対し、どんなサポートがあるのだろう。県内の取り組みを調べた。

 <妊婦・子ども>

 ◆県助産師会は、妊婦や赤ちゃんの心身ケアについての電話相談を行っている。午前10時〜午後5時Tel082(870)8006、午後5時〜翌午前10時Tel082(870)8007。

 <高齢者>

 ◆県薬剤師会は11日から、安芸地区や呉市などの避難所に薬剤師を派遣。症状に応じて市販薬を提供する。お薬手帳やかかりつけ医への確認で履歴が分かれば処方薬も出す。お薬電話相談Tel082(545)1193=平日午前10時〜正午、午後1〜3時。

 ◆県歯科医師会は今後、口腔(こうくう)ケアチームを各避難所に派遣する予定で、入れ歯の相談にも乗る。

 <ペット>

 ◆市は「災害緊急ペット相談窓口」を開設し、被災動物の行方不明や一時預かりの相談に乗っている。市動物管理センターTel082(243)6058。

 <お金>

 ◆各金融機関は被災者に対し、通帳や届け印を紛失した場合でも本人確認などで預金の払い戻しをする対応をしている。広島銀行災害相談Tel0120(160)345=平日午前9時〜午後9時、土日祝午前9時〜午後5時。もみじ銀行Tel0120(209)206=平日午前9時〜午後8時。

 ▽水路で住民対応続く

 他にも気になる声があった。安芸区矢野南の住宅団地「安芸矢野ニュータウン」の山際にある4丁目地区の住民は、二次災害の恐れを訴えた。

 山からの水が流れる水路が土砂で埋まり、行き場がなくなった水が住宅地に流れ続けている。住民が約200人規模で家に流れ込んだ土砂をかき出すなど応急的な対応はしているが、水路の確保という根本の解決には力が及ばない。

 10日に氾濫した府中町の榎川も、せき止められていた水が勢いよく流れ出したとみられる。信用金庫職員の板野浩一さん(58)は「たまった土砂や流木がいつ住宅に襲いかかってくるか不安でたまらない。土木や防災の知識のある人に助けを求めたい」と願う。

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