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ボランティアに潜むリスク 「十分な対策を」

2018/7/14 0:00
14日からのボランティア受け付けを前に、安芸区災害ボランティアセンターでは熱中症対策を呼び掛ける掲示物を地元高校生が作った

14日からのボランティア受け付けを前に、安芸区災害ボランティアセンターでは熱中症対策を呼び掛ける掲示物を地元高校生が作った

 広島地方気象台によると14日からの3連休、広島市では最高気温が35度を超える猛暑日になるという。大勢のボランティアが西日本豪雨の被災地に駆け付けるとみられるが、心配なのは体調管理だ。現地からも「十分な対策を、どうか呼び掛けてほしい」と編集局に声が寄せられた。

 ▽熱中症や感染症懸念/必要な装備まず確認

 声の主は、くれ災害ボランティアセンター(呉市)のスタッフ河内広行さん(44)。同市天応地区では11日に1人、12日に4人、ボランティアが熱中症で救急搬送されたという。

 酷暑に加え、被災地では汚水混じりの泥水や土ぼこりも広がる。熱中症だけではなく、感染症にかかりやすい状況にある。「そんなリスクをしっかり認識してほしい」と河内さんは強調する。

 実際、被災地で取材をしているといろんな声を聞く。安芸区矢野南で土砂かきをしていた女性は「3日間、足が泥水に漬かった状態で作業していたら化膿(かのう)した」と言い、痛みで歩くのがしんどそうだった。

 「以前、腕に注射を打った部分が急に腫れてきた」と焦っていたのは、坂町小屋浦で土砂かきボランティアをしていた30代男性。被災地の医療スタッフから「注射痕から何か菌が入った恐れがある。すぐ病院で診てもらって」と助言を受けていた。

 ほーむけあクリニック(中区)の横林賢一院長(39)は「土砂のかき出し作業をする場合は、特に破傷風に注意を」と呼び掛ける。破傷風菌が作り出す神経毒素によってけいれんを引き起こす感染症だ。

 菌は土壌に広く存在し、人の傷口から体に侵入。増殖して毒素を作り出す。そして、顔のけいれんや呼吸困難、時には窒息死を引き起こす。

 横林院長は「被災地の土壌は汚水や家から流れた薬品、油などさまざまな物質を含む」と指摘。汚い土壌は破傷風感染のリスクが一層高いという。

 各地の災害ボランティアセンターは、必要な装備などをインターネットや掲示物でアピールしている。まずは、チェックすることから始めたい。(久保友美恵)

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